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日付のない便り

日々のとりとめのない覚書 映画や読書 そして回想

「百年小説」(ポプラ社)を手に入れた アンソロジーは楽しい!

この本、なにしろ、厚い。1333ページ。見た目は広辞苑というところか。日本の短編小説のアンソロジーなのだが、これほどのボリュームのものはこれだけだろう。とはいっても、作品数はそう多いわけではない。贅沢な作りなのだ。ネットオークションで手に入れ…

私の積ん読状況  「積ん読」にも、一応言い訳がある

連休が終わって、だいぶ経つが、やっぱりというか、予想通りというか、連休中に読もうと、文字通り、積んであった本は、それほど高さも変わらずあちこちに積まれたままである。 ベッドの脇には、高価なのに思い切って買った「竹山道雄セレクション」の第4巻…

成瀬巳喜男「あらくれ」を観る  「あるがまま」の世界はどう描かれたか

高峰秀子が演じるお島は、現在も含めて、日本映画にはまず見当たらないヒロインだろう。お島が、勝気で、行動的で、時に亭主に手が出るほど男勝りだから、ということではない。その無節操、無道徳ぶりが際立っているからである。そういう意味で、このヒロイ…

やべきょうすけは、少しふっくらしたのではないか

やべきょうすけは、少しふっくらしたのではないか。「闇金ウシジマくん ファイナル」を見ていてそう思った。ネットで調べると、43歳だからもう立派な中年なのだが、なんとなく惜しいのだ。 彼を最初に知ったのはVシネマの「喧嘩の花道 大阪最強伝説」だっ…

「湯を沸かすほどの熱い愛 」を観る 確かに沸かされた湯は熱かったけれど……

妙な題名だなと思っていたが、見終わってみるとなるほどと思う。 映画の作りは丁寧で映像も美しいし、テンポよく画面が進んでいく。宮沢りえ(双葉)、杉咲花(安澄)、鮎子(子役の伊藤蒼)、一浩(オダギリジョー)と、それぞれ演技もなかなかすばらしく、…

BS日テレ「土俵の神々~大相撲名力士伝説~大関・貴ノ花と5人のライバル」は、相撲ファン必見の番組だった。

大した期待もしないで見始めたこの番組、相撲ファンにはたまらない、実に見ごたえのある好番組だった。 司会は日テレの藤井恒久アナ、増位山太志郎、花田虎上、草野仁。 BSだからなのか、話の内容もガードが緩い。内輪話、技術論、力士の寸評、知られざるエ…

半村良「小説 浅草案内」を読む 浅草は近いような、遠いような

半村良の「小説 浅草案内」を読み終わった。先月、馬券を買いに行った帰りに錦糸町の熊沢書店で買い求めたものだ。以前に、図書館で借りて、最初の2篇ばかりを読んで、なんとなくそのあとを読みそびれて返却してしまったのだが、先月、三遊亭円歌の訃報が流…

なぜ、今、「人間失格」なのか  ビックコミックオリジナルで太宰治「人間失格」コミック版の連載が始まったが、

以前は、何種類も買い求めていたマンガ雑誌(青年コミック誌といった方がよいのか)もすっかりご無沙汰になっているが、小学館の「ビックコミックオリジナル」だけは、今も定期的に購読している(これはもちろん理由があるのだが、それはまた別の機会に)。 …

 62歳の不器用で、料理下手の半主夫にとって、魅力的なスーパーはどんな店か。

なんの参考にもならないだろうが、GWの暇つぶしに駄文を。 ▶️はじめに まず、家族構成と私の立場をはっきりさせよう。 ・私:62歳。60歳で定年後、親友の世話で再就職。自転車で10分のところで働いている。勤務時間は9時から4時だ。 ・妻:55歳。…

「関の弥太っぺ」  錦之助にはほれぼれするが、だからこそ時代劇は遠ざかっていくのかもしれない

時代劇専門チャンネルが、錦之介没後二十周年記念ということで主演作品を連続放映している。先日の「仕掛人梅安」に続いて、今回は世評高い「関の弥太っぺ」。長谷川伸原作の股旅物である。と、書いては見たものの、実は私には、長谷川伸も股旅物も解説する…

白鳥の弔辞を読む  「白鳥随筆」正宗白鳥 講談社文芸文庫

講談社文芸文庫の「白鳥随筆」をポツポツと読んでいる。巻末に著作目録と年譜が付いているのだが、正宗白鳥は83歳で昭和37年10月に亡くなっている。この本には、同年に発表された文章が3編載せられており、この作家が死の直前まで現役であったことが…

柚木麻子著「BUTTER」を読む 確かに上質な「バター」は濃厚で美味だが‥‥

この作品が、死刑判決が確定した木嶋佳苗死刑囚の首都圏連続不審死事件をモチーフに書かれたものであることは新聞広告で知っていた。私は木嶋佳苗について、ニュースの報道程度しか知識がない。本屋で手に取った時、本の帯の惹句に「獄中から溶け出す女の欲…

「仕掛人梅安」  萬屋錦之介の藤枝梅安は

萬屋錦之介主演の「仕掛人梅安」をCS放送でようやく見ることができた。というのも、この映画はDVD化されていないとのことで、存在は知っていたが見ることができなかった。

「キングコング 髑髏島の巨神」 キングコングのサイズは…

公開初日に、息子と一緒に日本橋で見た。公開初日というと、待ちに待ったという感じがするが、そういうわけではなくて、部活で忙しい息子と出かけられる日が丁度その日だったというだけのことだ。映画を観る前に、丸善で本を買って、早めの昼食に名物ハヤシ…

「柘榴坂の仇討」  えっ! 「キョウジ?」「ケンシン?」

なんの予備知識もなく見始めたのだが、よい映画だった。最近の映画では、めずらしい、時代劇らしい時代劇だとも思った。だから、なおさら、時代劇は難しくなってきているのかな、とも考えたりした。 柘榴坂の仇討 [Blu-ray] 出版社/メーカー: バンダイビジュ…

我が家の花見

ようやく花が散りはじめた。土日に雨が降って、今年の桜はもう終わりだと思っていたから、何日か得したような気分だが、節目節目に雨が降ったことで、我が家では今年の花見は諦めることになった。 花見といっても、ここ数年は、妻が運転する車に乗って近所の…

「君の膵臓が食べたい」  私は小説を読んだはずだが

以前、「あと500冊の本」という記事を書いた。死ぬまでにせめてこのくらい読めたらという私の願いだ。そして、そこにはつぎのようなことを書いた。 あと、500冊。それなら、つまらない本は読みたくない。これを読めば、何かのためになるとか、何かの役…

「棋士という人生ー傑作将棋アンソロジー」を読む  「棋士」という生き方とは?   

今期の将棋名人戦は佐藤天彦名人に稲葉陽八段が挑戦している。21年ぶりの20代対決、否が応でも盛り上がるところだが、その佐藤名人が電王戦二番勝負第1局で将棋ソフト「PONANZA」に第一局を敗れた。 棋士は、その圧倒的な強さによって絶大な信頼を得て…

『プレイボール2』 谷口くん、再び

初めて「グランドジャンプ」という雑誌を買った。表紙はもちろん、谷口くん。『プレイボール2』の新連載が始まった。三十数年ぶりの復活。作者のちばあきおは早くに亡くなっている。『グラゼニ』のコージィ城倉が、続編を引き受けるという大役に着いた。 「…

「動物農場」を読む

ジョージ・オーウェルの『動物農場』を読んだ。先月、流行にのって(?)『一九八四年』を読んだ。『一九八四年』は小説の後半で、だいぶ滞って読み進めるのが辛かったが、これは一気に読み進められた(短いということもあるのだが)。 動物農場: 付「G・オ…

『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』  ?

『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』 何か、どこかで見たことがあるようなそれでいてあまり現実味のない登場人物が、どうもよくわからないままに破滅に向かって絶望的な旅をするロードムービー。格差社会を生きる若者のやり場のない怒りや衝動、閉塞感を描き…

『フランケンシュタイン対地底怪獣』&『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』

『フランケンシュタイン対地底怪獣』 何年か前に東宝特撮映画DVDコレクションを揃えたのだが、集めるだけ集めてあまり見ていなかった。この連休で少し時間があったので、何か見てみようと思って、散々迷ってこの映画を選んだ。子どもの頃、この映画を見た…

『セッション』  えっ、芸道一代?

『セッション』 ジャズドラムを学ぼうと名門音楽学校に入った青年と、彼にすさまじいスパルタ的指導を行う教師の繰り広げるドラマ。 音楽映画というと、やはり少しずれてしまう。古めかしい言い方だが、一種の芸道物といってもよいのか。日本人は、この手の…

『あの日 あの時 愛の記憶』  歳月と記憶の行く末

『あの日 あの時 愛の記憶』 何かこなれない題名だと思ったが、見終わってみると、なるほどと思った。この映画は、極限状態でのラブ・ストーリーであるとともに、歳月と記憶の持つ残酷さを描いたドラマである。 あの日 あの時 愛の記憶 [DVD] 出版社/メーカ…

『武士の献立』 上戸彩のメタモルフォーゼ

『武士の献立』 上戸彩は、いつからこんなにせつない表情をする女優になっていたのか。いや、表情だけではない。夫を死なせないために、刀を持ちだして逃げるシーンでは、全身から人を思うせつなさが伝わってくる。テレビドラマの『昼顔』の時、突然変異かと…

『百円の恋』 安藤サクラは、確かに並みの女優ではないが……  

『百円の恋』 安藤サクラが数々の賞を獲得した映画、という程度の予備知識で見始めた。32歳のひきこもりのダメ女の恋物語であり、成長物語。一種、独特な熱気のある映画で、最後のボクシングの試合のシーンなどは結構ハラハラしてみていたし、2時間近く、…

『とらわれて夏』 ケイト・ウィンスレットは、息をのむほど美しい

『とらわれて夏』 何か題名が昔の歌謡曲みたいなので、一瞬見ようかどうか迷ったが、見始めたら引き込まれてしまった。原題は『Labor day』。アメリカでは「労働者の日」という休日で、9月の第一月曜日。夏の最後の連休。次の日から新学期が始まるので、こ…

『冬の嵐』 最近、年とともにサスペンスは苦手になっていたが……

『冬の嵐』 アーサー・ペン監督、メアリー・スティンバージェン主演のサスペンス映画。予備知識がなく、さして期待もせずに見始めたのだが、これがなかなかハラハラドキドキさせる映画で見ごたえがあった。 冬の嵐 [DVD] 出版社/メーカー: 20世紀フォックス…

『アイリスへの手紙』 ジェーン・フォンダは本当にいい女優だが

『アイリスへの手紙』 この映画を見て、ジェーン・フォンダって、こんなにいい女優だったんだと、初めて思った。『ジュリア』『帰郷』など、出演作は何本か見ているが、特別の印象はなかった。知的だが、どこか鼻っ柱が強そうなイメージが先行していて私のセ…

50年前のマンガ喫茶?  「サクラ」になった思い出

「サクラ」になった思い出 私の住んでいるのは、東京の東のはずれで、まあ、下町風(本当の意味での下町とは、多分ほど遠かったのだろうが)の所だった。私が子どもの頃は子どもが溢れている時代だったから、下校後の子どもをターゲットにした商売が随分あっ…

「ワザ、ワザ」と「ちい、ちい、ちい」  私の中学時代2

中学2年生の息子の新学期が始まった。去年は、夏休みの最後に宿題でずいぶん慌てていたが、今年はうまく切り抜けているらしい。夏休みの宿題というと、厄介なものの代表選手が読書感想文だろう。今はだいぶ様子も変わってきているだろうが、それでもネット…

時代劇2題 あっさり味もこってり味も 「必死剣鳥刺し」「丹下左膳 飛燕居合切り」 

「必死剣鳥刺し」 2010年 「たそがれ清兵衛」以来、藤沢周平原作の時代劇が何本も製作された。主人公は、寡黙、誠実。忍耐強く、逆境にあってもくじけない。それでいて、どこか人生に恬淡としている、というような設定が多い。だから、惹句としては、ま…

『渚にて』 1964年 静かなるメッセージ

『渚にて』 舞台は1964年のオーストラリア、メルボルン。核戦争により、北半球が壊滅。南半球もやがて降りそそぐ死の灰の恐怖におののいている。 原作が1957年に刊行、映画の公開が1959年だから、近未来を描いたSFということになるが、私が初め…

『薄桜記』 これ、ホントに傑作なのかな? 

『薄桜記』 村松友視に『雷蔵好み』という小説がある。私も実は、そんなにディープではないが「雷蔵好み」である。CS放送では、まだまだ市川雷蔵の映画は頻繁に放映する。それをコツコツと録画してはディスクに残している。いまのところ、90本余り。生涯の…

初めての味  チーズ、お好み焼き、そしてコーラ

初めての味 チーズ、お好み焼き、そしてコーラ 初めてチーズを食べたのは学校の給食だった。私が小学校の4年か5年のころだから、1964年前後ということになる。それまで、私はそれまでチーズを見たことも食べたこともなかった。配られた四角い黄色いカ…

『失われたものの伝説』 砂漠のジョン・ウェイン

『失われたものの伝説』 ジョン・ウェインというと、テレビや名画座で結構な本数を見ているが、真っ先に思い起こすのは、なぜか西部劇ではなくて、この映画と「静かなる男」だ。 『失われたものの伝説』は中学生の時、テレビで見て忘れがたい映画の一つにな…

雑巾と英雄  私の中学時代

雑巾と英雄 私の中学時代 私は、中学時代は優等生だったが(高校時代は、劣等生に転落した)、どうも一言多いのか、実はけっこう怒られた。入学して次の日、学活の時間に先生の説明に茶々を入れて(内容は忘れたが)、教壇に正座させられた(その頃は、黒板…

薬師丸ひろ子との遭遇  「今度は愛妻家」

「今度は愛妻家」 この映画を見たい、と思う時、私はどのような基準で決めているのだろう。以前は、あの監督の作品だから、あの人が褒めているから必ず見なくては、などと、随分肩肘張っていたが、最近は誰が出ているかで選ぶことが多い。この映画はTSUTAYA…

いずれ、隣同士に  60代のよもやま話

いずれ、隣同士に 近くのコンビニで、Yちゃんと会った。「ちゃん」といっても、私より一つ学年が下だから61歳になる。小、中学校は同じだが一緒に遊んだという記憶もない。顔を合わせれば話をするがそう親しいわけではない。近くに住んでいるのだが、家は…

ジョゼの顔 女優・池脇千鶴「ジョゼと虎と魚たち」 

「ジョゼと虎と魚たち」 この映画を見ていると、取り返しのつかない忘れ物をしたような気になる。鼻のあたりがツンとなったり、年甲斐もなくドキドキしたりする。すぐれた恋愛映画の証左なのだろう。印象的なシーンも多く、渡辺あやの脚本、犬童一心監督の演…

酒の歌など  牧水を想う

酒の歌など 牧水を想う 最近、情けないほど酒が弱くなってきた。ちょっと晩酌が過ぎると眠気を堪えきれなくなる。晩酌といっても、せいぜいウイスキーのハイボール一杯とか、麦酒350ml1本程度だ。もともとそう強いわけでもないし、そう好きなわけでもなかっ…

「聖の青春」 「ほっぺたさわってもらい」

「聖の青春」大崎善生 11月19日公開の映画『聖の青春』の特報映像を見た。松山ケンイチが演じる夭折の天才棋士、「怪童」村山聖九段が、東出昌大演じる「天才」羽生善治四冠に対局を挑むシーンが描かれている。 よく憑依型の俳優などと称される松山ケンイチ…

ジェームズ・キャグニーの「白熱」(1949)  

ジェームズ・キャグニーの「白熱」(1947) CS放送を録画したもので見直して、原題が「White Heat」であることを初めて知った。まさに「白熱」というわけだ。最初に見たのは、テレビの日曜洋画劇場で、調べてみるとその年(1968年)、この番組ではジェームズ…

「ある愛の詩」の頃   アリー・マックグローの眉

「ある愛の詩」の頃 アーサー・ヒラー監督が亡くなった、といかにもよく知っているかのように書き出したが、略歴などを眺めてみるとこの監督の作品ではっきりと見た記憶があるのは「おかしな夫婦」「ある愛の詩」「あきれたあきれた大作戦」「大陸横断超特急…

マリオの結末  恐怖の報酬(1954年)

恐怖の報酬(1954年) 何十年ぶりかで見直してみて、この映画の題名の意味するところがようやくわかった。初めて見たのは淀川長治の「日曜洋画劇場」だった。中学2年の時だ。ニトログリセリンが作り出す恐怖とサスペンスに、思わず目を背けたくなるのを我慢…

今、「ガメラ」はどこにいるのか

どこを見ても、「シン・ゴジラ」だが、ガメラは、今、どこにいるんだろう。 ガメラ生誕50周年記念特別サイトで、ガメラ生誕50周年記念映像「GAMERA」を見たが(宮藤官九郎がギャオスに食べられる!)、この短い作品は、ある意味、「シン・ゴジラ」とはま…

死刑台のエレベーター×死刑台のエレベーター 

死刑台のエレベーター(2010年) エレベーターに乗ると、閉じ込められたらどうしよう、と思うときがある。実際、一度閉じ込められた経験もあるのだが、その経験より、映画の記憶の方が鮮烈だ。 ルイ・マル監督の「死刑台のエレベーター」のリメイクと聞いて…

「レ・ミゼラブル」のこと  ジャン・ヴァルジャン?

「レ・ミゼラブル」のこと 夏になると『レ・ミゼラブル』を読み返す。といっても、大体あちこちと虫食いのような読みかたで、最後まで読み切ったのは3回ぐらいか。実は、幾つかの場面を読みたいがために読み返している、といってもよいのかもしれない。 例…

風呂上がりの牛乳は美味しいか  銭湯の頃

テレビドラマ「世界一難しい恋」に風呂上がりの牛乳の話が出てくる。 ホテルに中途採用されたヒロイン(波瑠)が、気難しい社長(大野智)に自社のホテルについて意見を求められ、自社のホテルではどこにも牛乳が売っていないことを指摘し、客は風呂上がりに…

「RED」からの連想ゲーム(?)で、お盆休みに自宅で見る映画を決める

なかなか寝付けないので、何も考えずに楽しめる映画でも見ようと思い、CSの番組表を見るとちょうど「RED」の吹替版を放映していたので寝っ転がりながら見始めた。タイトルは「Retired Extremely Dangerous」(引退した超危険人物)の略だそうで、ブルース・…