日付のない便り

日々のとりとめのない覚書 映画や読書 そして回想

ジェームズ・キャグニーの「白熱」(1949)  

ジェームズ・キャグニーの「白熱」(1947) CS放送を録画したもので見直して、原題が「White Heat」であることを初めて知った。まさに「白熱」というわけだ。最初に見たのは、テレビの日曜洋画劇場で、調べてみるとその年(1968年)、この番組ではジェームズ…

「ある愛の詩」の頃   アリー・マックグローの眉

「ある愛の詩」の頃 アーサー・ヒラー監督が亡くなった、といかにもよく知っているかのように書き出したが、略歴などを眺めてみるとこの監督の作品ではっきりと見た記憶があるのは「おかしな夫婦」「ある愛の詩」「あきれたあきれた大作戦」「大陸横断超特急…

マリオの結末  恐怖の報酬(1954年)

恐怖の報酬(1954年) 何十年ぶりかで見直してみて、この映画の題名の意味するところがようやくわかった。初めて見たのは淀川長治の「日曜洋画劇場」だった。中学2年の時だ。ニトログリセリンが作り出す恐怖とサスペンスに、思わず目を背けたくなるのを我慢…

今、「ガメラ」はどこにいるのか

どこを見ても、「シン・ゴジラ」だが、ガメラは、今、どこにいるんだろう。 ガメラ生誕50周年記念特別サイトで、ガメラ生誕50周年記念映像「GAMERA」を見たが(宮藤官九郎がギャオスに食べられる!)、この短い作品は、ある意味、「シン・ゴジラ」とはま…

死刑台のエレベーター×死刑台のエレベーター 

死刑台のエレベーター(2010年) エレベーターに乗ると、閉じ込められたらどうしよう、と思うときがある。実際、一度閉じ込められた経験もあるのだが、その経験より、映画の記憶の方が鮮烈だ。 ルイ・マル監督の「死刑台のエレベーター」のリメイクと聞いて…

「レ・ミゼラブル」のこと  ジャン・ヴァルジャン?

「レ・ミゼラブル」のこと 夏になると『レ・ミゼラブル』を読み返す。といっても、大体あちこちと虫食いのような読みかたで、最後まで読み切ったのは3回ぐらいか。実は、幾つかの場面を読みたいがために読み返している、といってもよいのかもしれない。 例…

風呂上がりの牛乳は美味しいか  銭湯の頃

テレビドラマ「世界一難しい恋」に風呂上がりの牛乳の話が出てくる。 ホテルに中途採用されたヒロイン(波瑠)が、気難しい社長(大野智)に自社のホテルについて意見を求められ、自社のホテルではどこにも牛乳が売っていないことを指摘し、客は風呂上がりに…

「RED」からの連想ゲーム(?)で、お盆休みに自宅で見る映画を決める

なかなか寝付けないので、何も考えずに楽しめる映画でも見ようと思い、CSの番組表を見るとちょうど「RED」の吹替版を放映していたので寝っ転がりながら見始めた。タイトルは「Retired Extremely Dangerous」(引退した超危険人物)の略だそうで、ブルース・…

季節外れの恋愛映画2本  「7月24日通りのクリスマス」「世界の中心で愛をさけぶ」

若者の恋愛映画は(特に日本映画は)、還暦過ぎのオヤジには、どうにもまぶしいような気恥ずかしいような気がしてさっぱり見ていなかったのだが、なんとなく見てしまったのが、次の2作品。まあ、いろんな意味で季節外れだが。「7月24日通りのクリスマス…

「砂の女」  本棚の片隅に

砂の女 安部公房の「砂の女」を、私は読んでいない。読まなかったのにはちょっとした理由がある。 砂の女 (新潮文庫) 作者: 安部公房 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2003/03 メディア: 文庫 購入: 19人 クリック: 197回 この商品を含むブログ (346件) を…

夏の記憶  校庭の「マンガ映画」

今週のお題「映画の夏」 夏の記憶 夏休みになると、小学校の校庭で野外映画会が開かれた。私が小学校低学年の頃だから、昭和30年代の話である。まだ、木造モルタル2階建てだった校舎に、昼間、白いスクリーンが垂らされる。夕方になると、三々五々、近所…

毎日かあさん  小泉今日子のグラス

この映画は数年前にDVDで見た。 小泉今日子は、それまであまり気にならない存在だった。私は音楽に全く無縁な生活をしてきているし、アイドルに夢中になったこともないので、歌手、アイドルとしての小泉今日子はほとんど記憶にない。彼女が出演した映画やテ…

「不屈の棋士」 棋士たちの未来・私たちの未来

「不屈の棋士」 大川慎太郎 講談社現代新書 半年前には、「将棋の渡辺くん」を大笑いしながら読んで、やっぱり「将棋指し」って、いいなと思ったのだが、この本を読みとそう悠長な時代ではないらしい。たまたま見たプロ棋士山崎隆之八段とコンピュータソフト…

黄金を抱いて翔べ  フィルム・ノワール?

黄金を抱いて翔べ これ面白かったよ、と友人に勧められたが、原作が高村薫と聞いて手が出ないでいた。高村薫は、どうも文章が肌に合わないというか、読みきったことがない。少し放っておいたが、見てみると、なるほど結構楽しめた。

大人買いの理由  「COM」や「ガロ」の頃

大人買いの理由 「COM」や「ガロ」の頃 友人が雑誌「COM」の全巻揃いを手に入れた。見おぼえのある表紙もけっこうあったが、全く覚えていない表紙も多かった。創刊号の値段は150円で、わたしの記憶より随分安い。 小学校の時は、「漫画王」という月刊誌を…

たまには、詩など  土橋治重「月見草異聞」

詩とはすっかりご無沙汰している。大学の時、友人たちと現代詩についていっぱしに議論をしていたが(私は文学部だった!)、かっこをつけていただけで、実はさっぱり理解していなかったのだと思う。たとえば、思潮社の現代詩文庫もちらちら購入したりしたの…

いつか読書する日  田中裕子のラビリンス

「シン・ゴジラ」のプログラムを眺めていたら、犬童一心、原一男、緒方明の3人の映画監督が俳優としてして出演していることに気づいた。役立たずの科学者役である(道理で素人っぽい演技だったはずだ)。 原監督の「ゆきゆきて神軍」は縁がなくて見ていない…

OMOIDORI おもいどり 思い取り

OMOIDORI(おもいどり) 「OMOIDORI(おもいどり)」という機器をついつい買ってしまった。アルバムに貼った写真をそのままiPhoneにスキャンできる「アルバムスキャナ」だ。新しい遊び道具というところである。使ってみるとなかなかスグレモノで値段以上の価…

老いらくの恋  川田順の炎

中井貴一と小泉今日子のテレビドラマ「最後から二番目の恋」(CSの録画です)を見ていて、ふと、「老いらくの恋」という言葉を思い出した。川田順は、あの時何歳だったのか。実は、今の私より、若かったのかどうかが気になったのだ。 本棚にあった「集成昭和…

「シン・ゴジラ」を見にいく  ニッポン対ゴジラ?

「シン・ゴジラ」を見にいく 「明日、ゴジラ、見に行く?」と息子を誘ったら、「部活があるから無理!」とアッサリ断られて、結局、家内と一緒に行くことになった。家内は日本橋ならいっても良いとの条件。もちろん買い物とランチが目当てである。上映時間を…

プレイボール  永遠の谷口くん

プレイボール 最近、夕食どきに野球を見ることがある。普段はバラエティーやクイズ番組などが多いのだが、92歳になる父がつまらなそうな顔をしている時に、野球にする、と聞くと大体、うん、という。自分から野球を見たいとは言わないのだが、父は、地上波…

ピンとこない映画  「恋愛小説家」「プルーフ・オブ・マイライフ」

面白いのだけれど、よくできていると思うのだけれど、どうにもピンとこない、という映画がある(映画に責任があるのではなく、自分に問題があることも多いのだろうが)。そんな、ピンとこなかった映画の感想を二本。 恋愛小説家

忘れられた作家  『足摺岬』の行方

忘れられた作家 『卯の花くたし』『鹿ケ谷』『比叡おろし』『菊坂』と目次の順に並べていっても、誰の作品かわかる人はあまりいないだろう。『絵本』『足摺岬』と続くと、私の年代だとああそうかと頷く人もいるだろうが、今も愛読しているとなるとやはりそう…

あと500冊の本  

山田風太郎に「あと千回の晩飯」という随筆集があるが、ここ何年か、それまでほぼ無限と思っていたものが、もうかなり正確に数えられるようになったことを意識し始めた。定年の時、これから好きなだけ本が読めますね、と何人かの人に言われた。私は、本好き…

舞妓はレディ 再びサイズの問題

中二の息子と一緒に、「ちはやふる」を「上の句」「下の句」(前後編)と映画館で見ることになった。小学校の百人一首大会で、どうやらクラスのチャンピオンだったらしい息子は、百人一首の映画だから見たかったというような雰囲気を漂わせているが、実は主…

愛すれど心さびしく  「ミック」との再会

この映画、なかなかは見ることができなかったのだが、最近CSで放映したので、あわてて録画した。数十年ぶりに見た。この映画を初めて見たのは高校生のときだった。隣の駅にあった名画座で見た。私にとっては忘れられない映画の一本だったのだが。

長崎ぶらぶら節 吉永小百合 さまざまなため息

女優さんて化け物だな、というと中学生の息子にそれはあまりに失礼だろう、と言われる。だが、幾つになってもその美貌(まさに美貌!)の衰えないことが、理解の枠を超えてついついこういう言葉になる。 吉永小百合が今年71歳になる、と聞いて絶句した。こ…

大魔神   絶妙なサイズ

「シン・ゴジラ」は、なんと100メートルらしい。それって。今までの倍?もう、キングコングとは戦えないな、とか、やっぱりランドマークが高くなると、ゴジラも高くしなくてはいけないのか、とか、情報を補充することなく、勝手に想像しているのだが。で…

狼たちの処刑台 マイケル・ケインのカタルシス

イギリスのEU離脱をめぐる国民投票の報道を見ていて、同じような政治体制の国なのだが、どこか日本とは決定的に違うという印象がしてならなかった。イギリスに行ったことはないし、さしたる知識も持ち合わせていないのだが、国論を二分する議論の結果はさて…

忍ぶ川  栗原小巻あるいは志乃 

三浦哲郎の「忍ぶ川」を、私は高校の1年生ぐらいで読んでいるはずだ。美しい小説だと思った。それと同時に、初夜の場面などに、気恥ずかしいような思いがして、読みながら少しうろたえたりした(私は全くの晩熟で、中学生のころから丹羽文雄や舟橋聖一など…

アンコール! 老人のベッド

実は、どうも簡単に眠れそうもないので、こうやってキーを叩いている(最近は勢いがなくなって、押している、の方が正しいか?)。ここ数年、睡眠が健康に確実に響くようになった。以前は、もったいなくて眠らない夜があった。今は、眠れなくて不安な夜があ…

兄貴の恋人 酒井和歌子の清楚

BSにCSと多チャンネル時代のありがたみ(これも、若い人から見れば時代遅れなのだろうが)で、思わぬ映画に出会うことがある。 東宝の青春映画というと、リアルタイムで観ていたのは、山口百恵主演の映画でそれより前というとほとんど縁がなかった。この映画…

最初の挨拶

しばらく、ここ1年半ほど、何かを書いたり、まとまった話をしたりということから離れていた。無為の日もよいのだが、年齢的にも黄昏を迎えており、無為のまま過ごしていくのも何か寂しい気もするので、思いつくまま、誰にあててというわけでもなく、日々、…