日付のない便り

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大人買いの理由  「COM」や「ガロ」の頃

大人買いの理由  「COM」や「ガロ」の頃

 友人が雑誌「COM」の全巻揃いを手に入れた。見おぼえのある表紙もけっこうあったが、全く覚えていない表紙も多かった。創刊号の値段は150円で、わたしの記憶より随分安い。
 小学校の時は、「漫画王」という月刊誌を買っていた。「少年サンデー」や「少年マガジン」もでていたが、週刊誌を買っているのはちょっと裕福な家の子で、友人の多くは「少年」「少年画報」「ぼくら」「冒険王」というような月刊誌をとっていた(あの頃は街の本屋が、宅配をしてくれていた)。それぞれ自分の雑誌を持ちよって、誰かの家に集まって読みあったりした。

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 中学生になると、月刊誌はほぼ終焉を迎えて、週刊誌の時代になっていた。あの頃は、雑誌を何冊も買える者はあまりいなかったから、それぞれが決まったものを買ってやはり回し読みをした。漫画雑誌だと「少年サンデー」か「少年マガジン」のどちらを買うのかは、けっこう大きな問題で、「少年キング」を買っているのは少数派だったが、それ故に妙に人気者になったりした(「少年ジャンプ」「少年チャンピオン」は中学を卒業するあたりの創刊でまだ漫画週刊誌は3誌の時代だった)。中には、「サンデー」「マガジン」「キング」3誌を買っている友だちもいたが、不思議に、さしてうらやましいともおもわなかった。

 今でいえば、どこかオタクっぽい友人がいて、その友人の家で初めて「ガロ」と「COM」を手にした。「ガロ」も「COM」も今まで読んできた漫画雑誌とは違ってちょっとハイグレードというか、通というか、そんな気がして私も時々買うようになった。手塚治虫はもちろんだが、白土三平も『カムイ外伝』が「サンデー」に不定期で掲載されていたが、「ガロ」の「カムイ伝」、「COM」の「火の鳥」は、少年誌では味わえない無類の面白さだった(両方を買うことはできなかったので、どちらかを買うと、もう一方は誰かに買わせるか、立ち読みするかということになる)。

 買った雑誌は、本棚に並べて、くり返し読んだりした。友だちが定期的に遊びに来ては、まとめて読んでいったりした。今思えばミニ漫画喫茶のようなものだった(時折、母にまとめて捨てられたりして「一度読んだものはいらないでしょ」「いるよ!」などとケンカになったりした)。
 雑誌は、どんなつまらない漫画も、欄外のミニ知識のような記事も、くまなく読んだ。
 駅のゴミ箱に雑誌が棄てられるようになったのは、いつごろからだったのだろう。私がゴミ箱に雑誌が棄てるようになったのは、いつごろからだったのだろう。

 私たちの世代が、大人買いをする気持ちは実によくわかる。あの頃は誰もがそうであったから、特に我慢とも思わなかったのだろうが、やはりどこかに満たされない思いがたまっているのだろう。無駄だ、とは思ってはいても抑えがきかない結果が大人買いになるのだと思う。

 電子書籍の話題も、最近よく見かけるが、最大の欠点は所有欲を満たすことができないということかもしれない。私は、ソニーの端末「リーダー」を2世代にわたって購入した後、ソニーが撤退ということなので、キンドルの端末「ペーパーホワイト」を購入して愛用している。はじめにキンドルを選ばなかったのは、SDカードに対応していないということが最大の理由だった。クラウドから、いつでも引き出せるというのは、理屈ではわかるのだが、どうも損したような気分になるのだ。どっちにしても、手に取ることはできないのだし、墓場まで持っていけるわけでもないのだから、そんなのどうでもよい、とはなかなか割り切れない。年をとっても、人の煩悩はいかんともしがたいのか。

matome.naver.jp

 

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後記

 ちなみに、電子書籍は老人向きかもしれない。軽くて持ち運びに便利だし、何よりも字を大きくして読めるというのがありがたい。もっと、ファイル整理の機能が向上すればさらに使いやすいのだが。
 若い人は紙の書籍を読んだ方がよいような気がする。心に残る本は、装丁やページの肌触りまで残るものだから。

 少女漫画は「少女フレンド」と「マーガレット」、芸能誌なら「明星」と「平凡」、学習誌なら「中一時代」と「中一コース」という具合に、それぞれ競合誌があって、そのどちらを買うのかは、時々浮気したり、また戻ったりとそれぞれがなかなか忙しかった。映画雑誌はまだ「スクリーン」しかなくて、「ロードショー」はまだなかった。「キネマ旬報」は難しいし、どうも地味だったから、大体図書館で斜め読みしていた。
また、機会があったらほかの雑誌のことにも触れたい。

 

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