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日付のない便り

日々のとりとめのない覚書 映画や読書 そして回想

黄金を抱いて翔べ  フィルム・ノワール?

 黄金を抱いて翔べ

 これ面白かったよ、と友人に勧められたが、原作が高村薫と聞いて手が出ないでいた。高村薫は、どうも文章が肌に合わないというか、読みきったことがない。少し放っておいたが、見てみると、なるほど結構楽しめた。

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 日本版フィルム・ノワールというところか。妻夫木聡、浅野忠信、チャンミン、桐谷健太、青木崇高と俳優もなかなか頑張っていて、なかなか雰囲気は出ている(溝端淳平だけ、ちょっと浮き気味だが)。演出もテンポがよく楽しく見てられるのだが、北朝鮮の工作員、左翼過激派あたりの設定がかえって陳腐ですっきりしない。特に、西田敏行の存在は、いかにもという感じで底が浅い感じが否めない。これでは、主人公がどうあっても死ななければならないということになる。最後に残ったのは二人。サラリーマンの桐谷は、最後は出てこない。妻と子供を失った浅野が、妻夫木の遺体を川へ流す結末はどうなのだろう。苦さも虚無感も伝わってこないこの結末はこの映画の物足りなさにもつながっている。
 それにしても、妻夫木も浅野もいい俳優だが、影は感じない。ジャン・ギャバンやリノ・バンチュラのような、いかつい俳優を一人キャスティングすれば、大分違った雰囲気の映画になったかもしれない。

  《監督》井筒和幸

 

《フィルム・ノワール》
 

 書いていて疑問を感じて調べてみた。フィルム・ノワールというと、ジャン・ギャバンやリノ・バンチュラ、アラン・ドロンらのフランスの犯罪映画なのかと思い込んでいた。どうやら本家は1940年代から1950年代にかけてのアメリカの虚無的、退廃的な犯罪映画だということがわかった。「マルタの鷹」「深夜の告白」「現金に体を張れ」「白熱」あたりを言うらしい(「白熱」以外は多分未見)。ハンフリー・ボガードやジェームズ・キャグニーということになるのか。でも、ネットで代表作一覧とか見てみると、範囲があいまいでよくわからない。そもそも日本映画では「虚無的、退廃的な」犯罪映画というのは、日本ではあまり思い浮かばない。市川雷蔵の「ある殺し屋」あたりがそうか。「GONIN」は、犯罪映画というより、バイオレンス映画ということになるのか。あとはヤクザ映画になってしまうのか。町のたたずまいが犯罪映画には向いてないのかもしれないなどとも考えてしまう。

 

 

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