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日付のない便り

日々のとりとめのない覚書 映画や読書 そして回想

季節外れの恋愛映画2本  「7月24日通りのクリスマス」「世界の中心で愛をさけぶ」

 若者の恋愛映画は(特に日本映画は)、還暦過ぎのオヤジには、どうにもまぶしいような気恥ずかしいような気がしてさっぱり見ていなかったのだが、なんとなく見てしまったのが、次の2作品。まあ、いろんな意味で季節外れだが。
「7月24日通りのクリスマス」

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「世界の中心で愛を叫ぶ」

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 どっちも10年以上前の映画だが、この手の映画に縁がなかった私には、どちらも新鮮だった。
 大沢たかおが両方に出演しているが、彼が出ているから選んだわけではない。私は、ブルーレイディスクレコーダーを買ってからしばらくの間、手当たり次第ディスクに録画していて(馬鹿げたことだが400枚ぐらいある)、それを整理しているうちにたまたま目に付いて選んだ。以下、感想を届けよう。

 

7月24日通りのクリスマス

 ストーリーは、恋に憧れる、恋に縁のない女性の恋物語、という少女マンガなどによくある他愛のないもの(まあ、他愛もなくて悪いことは何もないのだが)。

 でも、長崎とリスボンの街を重ね合わせる洒落た設定でテンポもよく、楽しく見ることができる映画だ。中谷美紀は、私にとってはどうにもピンとこない女優なのだが、この映画でのコメディエンヌぶりには好感が持てた。シリアスな映画では(例えば「ゼロの焦点」)、カンの強さが表に出て、見ているうちに頬骨の高さが気になってきて何かイラついてくるし、同じコメディでも「自虐の詩」ではキャラクターに違和感があり、あまり笑えなかった。この映画では、どこか無機質な感じがする相手役の大沢たかおとの距離感もちょうどよいのか、大袈裟すぎず、ほどよい味付けの演技になっている。
 ただ、中谷からは、王子に焦がれながら叶わない娘の切なさが伝わってこないので、映画自体もほどよいという程度の印象に留まってしまう。周りの登場人物も、いかにもありがちで薄味な印象が否めない。特に、誰もがうらやむ自慢のモテ男という設定の弟と、地味で冴えないという設定のその恋人(上野樹里)がいけない。弟役の男優にさほどの魅力もなく、上野樹里も少しも健気な風にも地味にも見ない。ミスキャストといってもよい。これがうまくいってないので、結局最後の結婚式のシーンにあまり説得力がない。
 

 まあそれでも、音楽は洒落ているし、長崎とリスボンの街の風景は美しいし、こういう映画は、恋人同士で映画館で見たらやっぱりもっと楽しんで見ることができるんだろうな、と思った(昔を思い出しながら)。
 

 《原作》は、なんと吉田修一(知らなかった)《監督》 村上正典 2006年公開。

 

「世界に中心で、愛をさけぶ」

 原作は、売れに売れたベストセラー小説だが、私は読んでいない(テレビドラマも見ていない)。映画も大ヒットしたのは覚えている。当時は、あまりにもベタな題名だし、難病ものとなると興味が向かなかった。今もさして興味があるわけではないが、今回はなぜか食指が動いた。

 平凡な少年と美少女との恋、白血病、死の予感と闘病、交通事故にあった少女との因果話、と物語の骨格は難病ものの型通りだし、声による文通、散骨、と意匠も古めかしい。

 にもかかわらず、今見ても新鮮なのは、ディテールへの共感と主役二人のとび抜けた魅力によるものだろう。長澤まさみの笑顔には、老年の私でも胸をときめかせるものがあるし、森山未來の叫び声はあまりにも切ない。坊主頭になった長澤まさみの表情もセリフも目に焼き付いている。それに比べると、成長した主人公の大沢たかおや失踪する婚約者の柴崎コウの苦悩は、どこか空々しく見える。カセットテープで封印していた記憶がよみがえり、主人公が過去と未来に苦悩する姿、オーストラリアの大自然の中で散骨して気持ちにに区切りをつける終末に、どこか無理があるのだろう。映画は少し長く感じた。

 それにしても、私が若者だった時代の「愛と死をみつめて」にしても、「ある愛の詩」にしても(ウーン、あまりに例が古い!)、残るのは男というのはどういうわけか。佳人薄命の言葉通りなのだろうが、もし残るのが女だと、いろんな意味で物語が成り立たないのか。

 《原作》 片山恭一 《監督》 行定 勲 2004年公開

 

 

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