日付のない便り

日々のとりとめのない覚書 映画や読書 そして回想

ジェームズ・キャグニーの「白熱」(1949)  

ジェームズ・キャグニーの「白熱」(1947)  

 CS放送を録画したもので見直して、原題が「White Heat」であることを初めて知った。まさに「白熱」というわけだ。最初に見たのは、テレビの日曜洋画劇場で、調べてみるとその年(1968年)、この番組ではジェームズ・キャグニー主演の映画を3本放映している(あと2本は「栄光何するものぞ」「汚れた顔の天使」)。私は中学2年生、3本とも見た記憶がある。どうりで、この小柄な俳優の強烈な面構えや、エネルギッシュな動きが、目に焼き付いているはずだ(もっとも、その頃は吹き替え版で見ていたから、声まではわからないのだが、叩きつけるような早口が印象に残っている。今回字幕版だが、実際かなり早口な感じがする)。とにかく動きが独特で、キャグニーの映画では、周りの俳優が鈍重に見えてくる(例えば、ハンフリー・ボガード)。それに、あのアクの強い顔立ちは、一見悪役、敵役そのものの感じがするのだが、あの動きのせいなのか、なんともいえない魅力がある。

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 今回見直してみて、「白熱」で私がはっきりと覚えていたのは、キャグニー演じるギャングが、警察に追い詰められ、狂乱の末、哄笑とともにガスタンクに発砲し、業火に包まれるラストシーンだけだった。なるほど、こんなシーンがあったな、とはあちこちで思うのだが、例えば、情婦(バージニア・メイヨ)とかは、全く記憶になかった(中学生だから、そこだけ覚えているのもおかしいが)。このギャングがマザー・コンだったことや、非情な性格なのに、潜入捜査官(エドモンド・オブライエン)を信頼して、破滅に落ちることなど、ストーリーの肝腎な部分はサラッと忘れていた。ずいぶん印象に残る映画として記憶していたのだが、結局、私が覚えていたのは、この映画ではなくて、この映画の中のジェームズ・キャグニーであったことになる(でも、これも中学生の映画の見方、楽しみ方としては、そう間違っていなかったのだと思う)。

 制作当時は、それまでのギャング映画とは一線を画した斬新な映画であったのだろうが、今見ると、その性格破綻ぶりや非情さはどこか類型的な感もある。だが、数十年ぶりに見ても、やっぱりキャグニーに(演技というか、むしろ体の動きといったほうがよいか)目を奪われていくのは、この俳優が今も稀有な個性を持っている証左かもしれない。ラストシーンは、ほぼ記憶の通りだった。

1949年 ラオール・ウォルシュ監督

 

後記

 キャグニーは、ヴォードヴィリアンとして、舞台に立っており、歌やタップダンスも得意だったらしい。また若い時ボクシングにも打ち込んでいたらしい。彼の、キビキビした独特の動きは、そういう下地によるものか。

 

  

 

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