日付のない便り

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勝新太郎の「王将」を観た  勝新はいつでもやっぱり勝新だった!

 日本映画専門チャンネルでカツライス劇場という企画をやっている。大映の二枚看板だった雷蔵と勝新の映画を定期的に放映する企画だ。

 HPの惹句はこんな感じだ。

 

大映が誇った奇跡の2枚看板、勝新太郎・市川雷蔵。

両名の名前から“カツライス”と称された2人の、それぞれの代表的シリーズを、各シリーズ毎月1作品ずつ放送!さらに、“勝新・雷蔵傑作選”として、

それぞれの主演作品も毎月1作品セレクションしてお届け!

 

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 当時大映撮影所では、本当にカツライスとよばれていたらしい。

 ちなみに、9・10月の放送予定は

 勝新太郎は、「悪名一番勝負」「悪名 縄張荒らし」「続・酔いどれ博士」「やくざ絶唱」「ど根性一代」

 市川雷蔵は「眠狂四郎多情剣」「眠狂四郎人肌蜘蛛」「新書 忍びの者」「ひとり狼」「大菩薩峠」

 

 カツライス劇場という名称は新鮮だが、企画自体が目新しいわけではない。このチャンネルは大映系、東宝系の映画が主体だから、これまでも年中この二人の作品は放映していて、ここ数年、私はセッセとBDにダビングするのが趣味のようになっていて、勝新の作品は60作ぐらい、雷蔵の作品は90作ぐらいになった(他にも、ダビングしている映画もあるので、コレクションは実は膨大なものになっている)。

 問題は、集めたものをいつ見るかということなのだが、このままいくと全て見る前に、確実に寿命が来ることが予想されるので、とにかく少しでも見なくては、という焦りのようなものに駆られているのだが、気力も体力も衰えているのでそうははかがいかない。

 

 とりあえず、今回は勝新太郎の「王将」を観たので寸評を記しておこうと思う。

 

▶︎「王将」 1973年 監督 堀川弘通 (東宝)

 「王将」は、何度も映画化、舞台化された北条秀司の名作。映画版は、伊藤大輔監督の1948年版が最も有名らしい(昔、見たような記憶があるのだがはっきりしない)。だから、坂田三吉といえば、阪東妻三郎という名前が一番に出て来る。こういう作品は、難しく考えれば大変なのだろうが、勝新太郎にはあまり関係がないのかもしれない。どんな映画に出ても、勝新はやっぱり勝新だからだ。

 坂田三吉は、雪駄作りの職人。無学で将棋の駒以外は字が読めない。貧乏で、世渡り下手で、生活力も乏しいが、将棋だけは無類に強い。

 前半、この坂田三吉を、勝新はエネルギッシュに、破天荒に演じていて小気味が良い。女房の小春は中村玉緒で、実際にも夫婦だから息も合っている。

 だが、経済的には豊かになっていても、本当の将棋の実力を示す場がなかなか巡ってこない、ある意味不遇な晩年の三吉は、勝新の柄に合わないのか、しっくりとしない。関根八段(仲代達矢)との決戦でも、二人の棋士の違いが際立って描かれていないため、三吉の覚悟がうまく伝わってこない。自分を理解する唯一の存在である小春を失った三吉の悲しみも、どことなく伝わり方が薄い気がする。

 この映画、決して面白くないわけではないのだが、勝新太郎にしては味が薄い。勝新は不器用な男は似合うが、どこか色気があって武骨一辺倒な男は少しずれる。阪田三吉はどうなんだろうか。

 勝新は何をやっても勝新だが、だからこそ、本当にはまった役や題材に出会った時に、無類の力を発揮し、稀有の魅力を発散できたのだろう。それが、また、彼の役者人生の晩年を寂しいものにしたのかもしれない。

 

 次回は雷蔵の「新・平家物語」の予定。

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