日付のない便り

日々のとりとめのない覚書 映画や読書 そして回想

なぜ、私は家でパンを焼くようになったか  パン焼き顛末記

 私は、今のところ主夫業が仕事だから、週に5回は夕食を作る。もともと料理の経験はないに等しい。生来の不器用に重ねて、持病で右手がうまく動かない日もあるから、実は私にとってはけっこうな負担である。しかも我が家は、私と家内の夫婦と息子、それに私の父の4人家族だが、父は94歳、息子は16歳、と年齢構成が変則なのだ。父はなんとかギリギリ普通の生活をしているが、食欲はあっても、あまり固いものはダメなので、ウチのご飯は柔らかめに炊く。息子は食べ盛りだから、馬のように食べるとまではいかないにしても、やはりモリモリと食べる。肉がいいか魚がいいかと聞くと、迷わず、肉、と答える。父も肉が好きだが、固いのはダメなので、柔らかく食べられるものを用意しなくてはならない。でも、息子用にガツンとした肉料理も食べさせたい。かといって、息子用と父用の二通り用意する余裕も技量もない。ない知恵を絞っては、毎日料理本やクックパッドのレシピを漁っている。

サーモス 真空保温調理器シャトルシェフ 3.0L ステンレスブラック KBA-3001 SBK

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  1年ほど前に、真空保温調理器シャトルシェフというのをいただいた。これは、使い勝手が良くて、料理時間が短縮されるので重宝している。ただ、煮込んだり、茹でたりという料理が中心だから、限界はある。たまにはしっかり焼いた肉料理を息子には食べさせたいと思ってはいるが、電子レンジを買い替えた時、オーブンなんて使わないね、といってオーブン機能のない格安のものを購入したのは私だ。

 3週間ほど前に、台所を整理していて、ダッチオーブンのレシピ集というのを見つけた。そういえば、5年ほど前に、コンロを買い替えた時に、グリルでオーブン料理ができて、便利ですよと業者にそそのかされて購入したのを思い出した。私も家内もそれから一度も使っていないし、目にもしていない。どこだどこだと騒いで流しの下の奥の方にひっそりと置かれているのを見つけ出した。

  使用説明書兼レシピ(今は、紛失中)を見ながら、使ってみると、これがなかなか優れもので、肉料理だけでなく、煮込み料理も簡単にうまくできる。家族の評判もなかなかだ。

 褒められたものだから、図に乗って、パンやケーキのレシピも載っているので、これも作ってみようという気になった。もちろん、ケーキを作るのは初めてである。悪戦苦闘しながら、ドライフルーツとナッツのケーキを完成させた。自分では、ブサイクなケーキだなとがっくりきたのだが、またまた、家族には好評で、絶賛された。こうなると、もうどんどん木に登るしかない。

 そこで、パンに挑戦。いつもながら、世の中はそう甘くない。まず捏ねるところからうまくいかない。私の作ったパン生地は、恥ずかしそうに縮こまって、なかなか膨らまない。ええいと、焼いてみるとレシピの写真とは似ても似つかない。おずおずと家族の前に出したが、息子からは、はっきりいってまずい、とハッキリ言われた。

 大人げなく、カッとなって、再度挑戦、2度目も失敗。さらに、もう一度失敗。

 そこで、何が失敗の原因なのか、グーグルで調べると、やっぱり手でこねたり、発酵させたりは、なかなか難しくて、ホームベーカリーと併用している人も多いことを知った。うーん、ホームベーカリー。かつて、亡き母が、大騒ぎして餅つき機を購入。数回使って、結局粗大ゴミになった記憶が蘇ってきた。

 それでも歳を取ると、我慢がきかなくなるもので、次の日、家電量販店で偵察。さらに次の日。メーカーと機種を比較検討。ネットの方が安かったので、ネットで頼んだら、その日の夕方に届いた。家内も息子もちょっとびっくりしたようだが、まずは無関心。

買ったのは、これ。

  翌日、早速、基本の食パンを焼いた。これが、思いのほかうまい。再び、家族も絶賛。でもこれは複雑。レシピ通りに材料を入れれば、勝手に作ってくれるので、私は4時間待っていただけだからだ。

 それでも、褒められたので、やっぱり木に登ることになった。

 よく男の料理は、というが、男にもいろいろあって、私はどう考えても豪快なタイプではなくて、レシピがあればまずその通りにできないと、先に進めないタイプらしい。道具も材料もきちんと揃えなくては不安になってくる。

 強力粉、薄力粉、ライ麦粉、全粒粉、ドライイースト、スキムミルク、ベーキングパウダー、無塩バター、砂糖、グラニュー糖、チョコチップ、レーズン、くるみ、ナッツ、バニラエッセンス、刷毛、スパチュラ(ゴムベラ)、スケッパー等々。とりあえず、使えそうな材料や道具を揃えるために、近くのスーパーや百均をはしごして買い集める。男の料理は形から入る、というわけだ。

 で、それから毎日シロカ のホームベーカリーでパン作り。いや、正確にいうとパンだけではないが。とにかく、基本の食パン、ソフトパン、米粉パン、ミルクパン。フレッシュバターや餅にも挑戦する。これが滅法面白い。

 息子は、毎日のようにパンやケーキを焼いている父親を見て、アイデアが浮かんだようで、学校にケーキを作ってもっていくという。なんだ、それ、と思ったが、よく聞いてみると、担任の先生が誕生日なので、何かしらプレゼントを持っていくというイベントをクラスで決めたらしい。それで、チョコレートケーキをHBで作ったが不満足。結局、最初に私が作って好評だった、ダッチオーブンを使ったドライフルーツとナッツのケーキを、半日がかりで再度焼いた。チョコレートケーキ共々持って行った息子はニコニコして帰ってきた。

 今度はメロンパンがいんだけど。

 メロンパンはオーブンがないから難しい。

 こないだの使ってできないの。

 メロンパンもどきなら、できないこともない。

 で、苦戦の末、まずHBでパン生地を作り、クッキー生地を自力で作り、ダッチパンで焼いたのがこれ。

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 不細工だが、味は、しっかりメロンパン。うーん。息子は複雑な表情を浮かべている。食べては美味しいけど、形がメロンじゃない。

  これが、なぜ、私が家でパンを焼くようになったのか、ということに関する、ここ2週間あまりの経緯である。ちなみに、強力粉はネットで10キロ買った。ドライイーストもスキムミルクも徳用版を合わせて買った。

 最近は、何を焼こうか、と何気なく考えている自分が少し怖い。

 今日、電子レンジをオーブンレンジに買い換えたいな、というような話題を出したのだが、家内は、そう、と言っただけで返事をしてこない。形の良いメロンパンが作りたいのだけど、なかなかタイミングが難しい。

 ちなみに、パンを焼くことに追われて、夕食作りが手抜きになっている傾向は否めない。地道にやれば、道は開けるか(うーむ、大げさだな)。

 これはさっき焼きあがったぶどうパン。ちょっとぶどうが少なかったかなと反省。

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